最高裁判所第三小法廷 昭和31年(オ)1103号 判決 1958年1月14日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
原判決挙示の証拠によれば、原審認定の各事実を肯認することができる。そして右事実関係によれば、原審が本件賃貸借契約は、上告人のなした無断転貸により解除せられたものと判断したのは正当であつて、本件においては、第一点所論の如き背信行為と認めるに足らない特段の事情があるものとは認められず、又第二点所論の如く被上告人の解除権の行使が権利の濫用であるということもできない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島 保 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己)