最高裁判所第三小法廷 昭和32年(し)23号 決定 1957年5月21日
主文
本件特別抗告を棄却する。
理由
本件特別抗告は、被疑者中島勇等に対する地方公務員法違反被疑事件につき、昭和三二年四月二九日佐賀地方裁判所裁判官小川正澄がなした、右被疑者等に対する勾留状発布の裁判に対し、弁護人立木豊地から夫々した準抗告事件について、同年四月三〇日同裁判所がした準抗告棄却決定に対し、弁護人立木豊地からなされたものであるが、被疑者鶴田卓爾は昭和三二年五月三日、同中島勇、同丸山正道、同松隈虎夫、同末森俊雄は同年五月五日、同北崎稔、同杉山郁夫は同年五月九日、いずれも留置の必要事由消滅により釈放されたことが明らかであるから、本件抗告は、その理由について裁判をする実益がないものといわなければならない。
よって、刑訴四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島 保 裁判官 高橋潔)