最高裁判所第三小法廷 昭和33年(あ)905号 判決 1958年9月09日
主文
本件上告を棄却する。
理由
被告人本人の上告趣意第一点について。
所論は、憲法二二条違反を主張する。しかし憲法二二条は外国人の日本国に入国することについては、なんら規定していないものであること既に当裁判所の判例とするところである(昭和二九年(あ)第三五九四号、同三二年六月一九日大法廷判決、集一一巻六号一六六三頁)。従って被告人の本件所為に適用された出入国管理令三条、七〇条が右憲法の規定に違反するものでないことは前記大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。されば、所論は理由がない。
同第二点について。
所論は量刑不当の主張であって、適法な上告理由に当らない。
また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己)