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最高裁判所第三小法廷 昭和40年(オ)756号 判決 1967年5月23日

更生会社木村刃物製造株式会社管財人

上告人

高野篤信

右訴訟代理人

天野雅光

青木茂雄

被上告人

加藤達男

ほか二名

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人天野雅光、同青木茂雄の上告理由について。

本件各手形の原告加藤りつに対する裏書譲渡は更生債権として右手形金債権を更生裁判所に届け出ることを主たる目的としたものであるが、それは訴提起を主たる目的としたものではない旨の原審の判断は、証拠関係に照らし、相当であり、更生裁判所に対する債権の届出行為は信託法一一条にいう訴訟行為にあたらないとした原審の判断は、右届出行為の性質に照らし、正当である。したがつて、原判決に所論の違法はなく、所論は、ひつきよう、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、右と異なつた見解に立つて原判決を攻撃するに帰し、採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(横田正俊 柏原語六 田中二郎 下村三郎 松本正雄)

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