最高裁判所第三小法廷 昭和42年(ク)350号 決定 1967年12月15日
抗告人
居関食品株式会社
主文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
抗告人の抗告理由(二)について。
抵当権の存否自体を確定するには、抵当権存否確認の訴が認められている。本件の競売開始決定に対する異議手続は、競売手続を進行させるか否かを決定するものに外ならず、抵当権の存否それ自体について既判力を生ずるものではない。このような事件は、公開法廷における審理を経なくても憲法三二条・八二条に反しないことは、昭和四〇年六月三〇日当裁判所大法廷決定(昭和三七年(ク)第二四三号、民集一九巻四号一一一四頁)の趣旨に照らし明らかである。論旨は採用することができない。
その余の抗告理由は、原決定に民法の解釈の誤があること、事実認定に審理不尽・理由不備の違法があること等を主張するものであつて、特別抗告適法の理由とならない。
よつて、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人の負担すべきものとし、主文のとおり決定する。(横田正俊 田中二郎 下村二郎 松本正雄 飯村義美)