最高裁判所第三小法廷 昭和52年(行ツ)80号 判決 1977年10月25日
鹿児島市南新町七番一五号
上告人
有限会社久保商店
右代表者代表取締役
久保祐吉
鹿児島市易居町一番六号
被上告人
鹿児島税務署長
岩田勇
右当事者間の福岡高等裁判所宮崎支部昭和五一年(行コ)第三号法人税更正決定処分取消請求事件について、同裁判所が昭和五二年四月二七日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があつた。よつて、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を却下する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人の上告理由について
論旨は、原判決には審理不尽、採証法則及び経験則違背、憲法一三条、一四条、一六条、一七条、二九条、三二条違反等の違法があるというが、原判決のどこに右のような違法があるかについて事実を示して具体的に主張しないから、民訴規則の定める方式による適法な上告理由の記載を欠くものといわなければならない。したがつて、本件上告は、不適法であつて却下を免れない。
よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法三九九条ノ三、三九九条一項二号、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 環昌一 裁判官 天野武一 裁判官 江里口清雄 裁判官 高辻正己 裁判官 服部高顯)
(昭和五二年(行ツ)第八〇号 上告人 有限会社久保商店)
上告人の上告理由
原審が昭和五二年四月二七日言渡した判決は憲法に違背すると同時に法令の解釈並に適用を誤り、判決理由の不備並に審理不尽、採証法及経験則に違背したるもので、当然破毀差戻しを免れないものと考えるので、こゝにその理由を陳述して正当の裁判を仰ぐ次第である。
第一点
原審は事実審理の原則に違背し、且つ審理不尽をなしたることは記録上明白である。
第二点
審理不尽のため採証法及経験則に違背し、且つこれがため憲法第一三条、同法第一四条、同法第一六条、同法第一七条、同法第二九条、同法第三二条違背は免れないものと思料する。
以上