最高裁判所第三小法廷 昭和53年(オ)383号 判決 1978年7月18日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人青柳健三の上告理由について
同一債権が重複して譲渡された場合において確定日付が同一日付である複数の債権譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は、互いに他の譲受人に対して自己のみが唯一の優先的譲受債権者であると主張することは許されず、したがつて債務者に対しても同様の主張をすることはできないが、後順位の譲受人に対する関係においては先順位の各譲受人が等しく債権者たる地位を有効に取得したものとして対抗することができるとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 天野武一 裁判官 江里口清雄 裁判官 高辻正己 裁判官 服部高顕 裁判官 環 昌一)