大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1588 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人の各弁護人の上告趣旨は総て末尾添附別紙記載の通りでありこれに対す

る当裁判所の判断は次の如くである。

被告人Aの弁護人大島正恒の上告趣旨及同元林義治の上告趣旨第一点に付て。

被告人勾留中における検事の聴取書を証拠に取つても違憲でないこと及犯意だけ

に付ては自白が唯一の証拠であつても違憲でないことは既に当裁判所大法廷判決に

よつて明にされて居る(昭和二三年(れ)第四三一号事件同年十二月二十七日言渡

大法廷判決、昭和二二年(れ)第一五三号事件同二三年六月九日言渡大法廷判決参

照)論旨はこれと反対の見解に立つもので採用し難い。

弁護人元林義治上告趣旨第二点に付て。

原審挙示の証拠によれば原判示事実はこれを認めることが出来る、論旨は原審が

適法に為した事実認定を批難するもので上告適法の理由とならない。

同第三点について。

原審は詐欺の事実を認定したのではなく被告人等共謀の強盗の事実を認定したも

のであること原判文上明で右判示事実が原審挙示の証拠で認められることは前説示

の通りである。従つて原審が強盗に関する法条を適用したのは当然で論旨は理由が

ない。

上告趣意書には第四点の論旨があるけれどもこれは公判廷において撤回する旨の

陳述があつたからこれについては判断しない。

被告人Bの弁護人大島正恒の上告趣旨に付て。

C提出の被害届(記録八三丁乃至八七丁)及盗難品追加届(九一丁)中には判示

に照応する被害の記載があるので論旨は理由がない。

- 1 -

よつて上告をいずれも理由なしとし最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項旧

刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 柳川真文関与

昭和二四年五月三一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!