大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1880 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人盧原常一の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

しかし、憲法第二五条第一項は国家は国民一般に対し概括的に健康で文化的な最

低限度の生活を営ましめる責務を負担しこれを国政上の任務とすべきであるとの趣

旨であつて、この規定により直接個々の国民に対して具体的現実的にかかる権利を

有するものではない。従つて被告人が最低限度の生活を維持する為めであるからと

て原判決において認定したような犯罪構成要件を具備した行為をなしても罪となら

ないという理由は憲法第二五条の解釈からは出てこない。そして原審においては判

示被告人の行為に対し法定刑の範囲内において刑罰を科したものであつて何等法則

に違反する点はないから原判決を目して基本的人権を侵害したとはいい得ない。論

旨は何れも理由がない。(昭和二三年(れ)第二〇五号昭和二三年九月二九日大法

廷判決参照)

よつて旧刑事訴訟法第四四六条、最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項によ

り主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 柳川真文関与

昭和二四年六月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 穂 積 重 遠

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