大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1956 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人大津山定起の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨は、被告Aは飲食営業緊急措置令第一条にいわゆる飲食営業者でなく、その

家に飲食店としての設備がしてなかつた、と主張するのであるが、原判決の挙げた

証拠によれば、同家には小規模ながら客用の丸テーブル及びコツプ、皿等の設備が

あり、当日相次いで来店した二組の客人に酒一杯何円、肴一皿何円という定価の酒

食を供したのであるし、又以前にも約二〇人の客に酒肴を出した形跡があるのだか

ら、原判決が、被告Aは飲食常業措置令第一条にいわゆる「設備を設け客に飲食物

を提供して飲食せしめる営業」を営んだものと認めて同令第六条により処罰し、又

右営業者の使用人として違反行為のあつた被告Bに同令第八条を適用したのは、そ

れぞれ適当であり、論旨は理由がない。もつとも本件はこの種の犯罪としては軽微

のものと思われるが、検挙されて起訴があつた以上、その点を充分に勘酌して言渡

したと思われる原判決程度の制裁を受けることは、まぬかれ得ないところと考える。

論旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法施行法第二条、旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判

決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年四月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

- 1 -

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!