大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)2057 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松永東及び同野原松次郎の上告趣意第一点について。

贓物故買罪の成立するがためには、買受けられた物が盗品であることを必要とす

ること、所論の通りであるが、贓物故買罪の判示としては、盗品を盗品と知りなが

ら買受けた事実を証拠により確定して判示すれば足り、何人が誰からその物を盗み

取つたかの事実を判示する必要もなく、又その証拠説示をする必要もない(昭和二

三年(れ)第六六五号同年一〇月三〇日最高裁判所第二小法廷判決参照)。原判決

は、被告人が「リヤカー用油四八本をその盗品たる情を知りながら」買受けたと判

示しているのであるから、右のリヤカー用油が盗品であること並に被告人がその盗

品であることを知りながら買受けたという二つの事実が、判文自体に於て明かにさ

れている。そうしてその二つの事実は共に原判決挙示の証拠によつて立証されてい

る。従つて原判決には、所論のような理由不備の違法はない。論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし憲法第三八条第三項は、被告人の自白を裏付ける補強証拠が犯罪事実の全

部に亘つて存在することを要求するのではなくて、自白にかゝる事実の真実性を保

障し得る証拠が他にあれば、右の規定に違反するものでないこと、当裁判所がしば

しば判例に於て示している通りである(例えば昭和二二年(れ)第一五三号同二三

年六月九日大法廷判決参照)。本件に於ては、被告人が判示リヤカー用油の盗品で

あることを知つていたという事実に対する直接の証拠は、被告人に対する司法警察

官代理作成の聴取書中の同人の自白のみであるけれども、原判決はその外に、被告

人の原審公判廷に於ける供述並びに第一審相被告人Aに対する司法警察官代理聴取

書中の同人の供述をも証拠として採用しこれ等を綜合して犯罪事実を認定している

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のであるから、原判決を以て憲法第三八条第三項に違反するものと主張し、又は理

由不備の違法を犯すものとする論旨はいずれも理由がない。

以上の理由により旧刑事訴訟法第四四六条最高裁判所裁判事務処理規則第九条第

四項に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるのである。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年五月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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