大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)306 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人柴田勇助の上告趣意は末尾添附の別紙書面記載の通りである。

論旨は、刑事訴訟法第四百十二条が廃止されたのは憲法第十三条が新設された為

であるから、量刑過重の場合は同条違反として上告できるものであり、被告人に対

しては執行猶予となすべきものであるにかかわらず実刑を科した原判決は同条違反

であるというに帰着する。

しかし、刑事訴訟法第四百十二条が廃止されたのは量刑当不当の問題は、事実審

に止め、これを上告の理由とすることは許さないという専ら訴訟手続上の理由に基

くものであつて、憲法第十三条が新設された為ではない。憲法第十三条は、個人の

尊厳と人格の尊重を宣言したものであるが、「公共の福祉に反しない限り」という

制限を設けており、また憲法第三十一条は社公秩序保持の為必要とする国家の正当

なる刑罰権の行使を是認しているのであるから、原審において判示事実に対し諸般

の事情を参酌して刑罰法令の規定する刑の範囲内において実刑を科し得べきは元よ

り当然のことであつて、これを以て憲法違反ということは出来ない。此のことは既

に当裁判所判例の示すところであるから(昭和二十二年(れ)第二〇一号事件同二

十三年二十四日言渡大法廷判決参照)最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項及

刑事訴訟法第四百四十六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二十三年六月二十二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官庄野理一は差支の為署名捺印することができない。

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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