大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)631 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人河野将実の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りでありこれに対する当裁判

所の判断は次きの通りである。

自白という語に付ては色々の解釈があり従つて各人の解釈に従い種々の意味に用

いられる。しかし広く解しても被告人が自己に不利益な事実を認めた供述以外には

出ない。単に供述というのとは異りおのずから其内容は限定される。そして原審が

判示事実を認定した証拠の説明をなすに当り他に何等の証拠を挙げず単に「右事実

は被告人の当公廷における自白によつてこれを認める」といつた所から見ると右自

白というのは被告人が判示事実全部を認めた供述という意味で用いたものと理解出

来る其故其内容はおのずから明であつて所論の様に証拠の題目のみを掲けた内容の

わからないものと見るべきではない。原審の書き方は稍簡に失する嫌はあるが敢て

違法とするには当らない(原審公判調書を見ると被告人は判示事実と全く合致する

供述をして居る)論旨は採用し難い。

よつて上告を棄却すべきものとし刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決

する。

右は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二三年一一月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

- 1 -

裁判官 河 村 又 介

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!