大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(オ)109 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

訴訟代理人の故意又は過失に原因して不変期間を遵守することができなかつた場

合には、たとへそれが当事者本人自体の選失に基く場合でなくとも、これを以て民

事訴訟法第一五九条にいわゆる当事者がその責に歸すべからざる事由により不変期

間を遵守すること能わざりし場合に、該当するものということはできない(大審院

昭和五年(オ)第二九八号同年六月一八日民四部判決参照)。これを本件について

見るに、上告人等が本件第一審の判決に対する控訴期間を徒過したことは記録上明

であつて、その理由が上告人等の第一審訴訟代理人小河虎彦等の故意又は過失に基

因し、同人等より上告人等に対し右判決正本の送達のあつた事実を通知しなかつた

ためであることはその主張するところであるから、その事由によつては本件控訴の

追完を許されないこと前段の説示に徴し明白である。論旨はこれと反対の見地に立

つて原判決を非難するもので上告適法の理由とならない。

上告理由第二点について。控訴の申立權を有しない第一審の訴訟代理人が期間内

に控訴の申立をしないからとて、これを以て暗默に控訴權を抛棄したものと解する

ことはできない。上告人が控訴權を失つたのは、控訴權抛棄の為めではなく、控訴

期間内に控訴をしなかつた為めである。そして訴訟代理人の過失による場合は、民

事訴訟法第一五九条にいう「当事者の責に歸すべからざる事由」に該当しないこと

は、上告理由第一点について説明した通りである。論旨は理由がない。

なお昭和二三年一一月八日附上告理由書及び同月一八日附上告理由書の訂正は、

いずれも期間経過後の提出にかゝるものであるからこれについての説明を略する。

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以上の理由によつて民事訴訟法第四〇一条第九五条及び第八九条に従い主文の通

り判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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