大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和24新(れ)184 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松永東同名尾良孝の上告趣意は、末尾に添えた別紙記載の通りである。

(一) 論旨第一点は、原判決が本件犯罪事実中の共謀の点につき被告人の自白

のみを証拠にしたのは憲法第三八条第三項および刑事訴訟法第三一九条第二項違反

である、と非難する。なるほど第一審判決の挙げた証拠中共謀の点の証拠は被告人

の自白以外にはないが、しかし、犯罪事実の一部については本人の自白以外に認定

資料がない場合でも、挙示の証拠を綜合して判示事実全体が認定できる以上、その

認定は憲法違反でない旨は、当裁判所大法廷判例の明示するところである(昭和二

二年(れ)第一五三号、同二二年(れ)第一五三号、同二三年六月九日判決)。そ

の判例もまた共謀の点に関しそして旧刑訴法下の判例であるが、新法下にも適切で

あつて、論旨は理由がない。

(二) 論旨第二点は、原判決には重大な事実誤認があるから職権調査により破

棄されたい、と要求するが、原判決を記録に照して精査したところ、刑事訴訟法第

四一一条第三号に当る事由ありとは認められない。

よつて刑事訴訟法第四〇八条により主文のとおり判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

昭和二五年二月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!