大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1172 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人和島岩吉の上告趣意第一点について。

論旨は、原判決が刑の執行猶予の言渡をしなかつたことを違法であると主張して

いるけれども、執行猶予の言渡をするか否かは、原審の自由裁量の範囲に属するこ

とである。論旨は結局法令違背の主張ではなくて、量刑不当の非難に外ならないか

ら、上告適法の理由となり得ない。

同第二点について。

憲法第三六条にいわゆる「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的肉体的苦痛を内容

とする人道上残酷と認められる刑罰を意味するのであつて、被告人の側から見て過

重の刑必ずしも「残虐な刑罰」ではなく、又実刑を科することが被告人の側からみ

て過重の刑であるとしても、右の法条に違反するものでないことは、既にしばしば

当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決、昭

和二三年(れ)第五一七号同年九月二五日第二小法廷判決)に示されている通りで

ある。従つて原判決が被告人に実刑を科するがために、その妻の療養や子供の養育

に差支えるからとて、原判決を以て憲法第三六条に違反するものと主張する論旨は

採用することができない。

以上の理由により最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項及び旧刑訴法第四四

六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 田中巳代治関与

昭和二四年一〇月一八日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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