大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1346 判決

主 文

原判決を破毀する。

本件を広島高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人栗原良哉の上告趣意第一点について。

原判決は、被告人に対する贓物故買の犯罪事実(原判示第二事実)を認定するに

当つて、被告人が原審公判廷において「判示のように被告人Aから自転車等を買受

けたことは違いない。昭和二十二年四、五月頃から怪しいと思い雇人にAの後をつ

けさせたこともあり、初め買つたときから十回目位に買受けるときからAが盗んで

来るのではないかと思うようになつた」と供述したものとして、これを証拠に挙げ

ている。ところが、原審公判調書を調べてみると被告人が右のように「昭和二十二

年四、五月頃から怪しいと思い雇人にAの後をつけさせた」という趣旨の供述はど

こにも全く見当らない。それゆえ、原審が前記のような被告人の供述があつたもの

として右の供述を他の証拠と綜合して、被告人に対し昭和二十二年四月六日頃以後

の贓物故買の事実を認定したことは、虚無の証拠によつて犯罪事実を認定した違法

がある。そして、その違法は判決に影響を及ぼすこと明らかであるから論旨は理由

がある(昭和二三年(れ)第六八四号同年一二月二七日当裁判所大法廷判決参照)。

よつて他の論点に対して判断するまでもなく原判決を破毀すべきものと認め旧刑訴

第四四七条、第四四八条ノ二に従い主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二四年七月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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