大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1365 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りでありこれに対する当裁判

所の判断は次の如くである。

第一点について。

その作成にあたり、反対訊問の機会を与へなかつた検事聴取書の如き書類も、刑

訴応急措置法第一二条の制限の下に、これを証拠とすることができるとしても、憲

法第三七条第二項の趣旨に反するものではなく、刑訴応急措置法第一二条が違憲で

ないことは当裁判所大法廷の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第八三

三号、同二四年五月一八日大法廷判決)

而して、本件について見るに所論聴取書の供述者中Aは原審相被告人であるから、

措置法第一二条の制限を受けないことは当裁判所の判例とする処であり(昭和二二

年(れ)第二〇八号、同二三年二月九日第一小法廷判決)其の余の供述者について

は、原審において被告人又は弁護人から同条所定の請求をした形跡は、原審公判調

書中に、少しも認められない。従つて、原判決が右聴取書を証拠としたことは少し

も違法でなく論旨は理由がない。

第二、三及四点について。

原判決は所論Aの公判外の供述の外、被告人B右A及原審相被告人Cの原審公判

廷における各供述をも綜合して原判示事実を認定したのであり右証拠によれば該事

実は十分これを認めることが出来る。しかして共同被告人の供述を補強証拠として

差支ないこと当裁判所大法廷の判例とする処である(昭和二二年(れ)第一八八号

同二三年七月七日言渡大法廷判決)。論旨は理由がない。

同第五点、第六点について。

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原判決挙示の証拠を綜合すれば判示事実を認めるに十分であり、論旨は結局、原

判決の証拠の取捨事実の認定を攻撃するに帰するから上告適法の理由がない。

同第七点について。

原判決は、所論回答を証拠として採用せず、証人Dの第一審における供述を措信

して事実を認定したのである。論旨は原判決の証拠の取捨を非難するにすぎないも

ので上告適法の理由とならない。(第一審第二回公判調書を見ると、裁判長が特に

「三月二〇日の晩」と日時を示して訊問したのに対し、D証人は「それは二月の二

〇日と記憶します」と答へている。)

同第八点について。

犯罪の日時は罪となるべき事実ではないから、証拠によつて認めた理由を特に判

決書に記載する必要はないし、原審挙示の証拠で原審認定の日時は認められるから

論旨は理由がない。

よつて上告を理由なしとし旧刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二四年八月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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