大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1833 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

本件はいわゆる「幽霊人口」を作為し食糧営団配給係員を欺き主要食糧の配給を

受けた事件であるところ、末尾に添えた別紙弁護人岡崎耕三上告趣意書の論旨は、

本件の被害法益は「単なる財産権」ではなくして「国民の一般的生活権」であるか

ら、原審がこれを単なる財産権の侵害行為なりとして詐欺罪に問擬したのは擬律錯

誤である、というのである。しかし被告人が詐欺的手段によつて交付を受けた米麦

および甘藷が財物であることは問題のないところであるから、一般法益の侵害にな

るかどうかはしばらく措き、原審が刑法第二四六条「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタ

ル者」として被告人を断罪したことは何らの擬律錯誤なく、論旨は理由がない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従い、主文の通り判決する。以上は当小法廷裁

判官全員一致の意見である。

検察官 田中巳代治関与

昭和二四年一一月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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