大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2366 判決

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主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池田浩一の上告趣旨は末尾添附別紙記載の通りであり、これに対する当裁

判所の判断は次ぎの如くである。

第一点及第二点について、

原審は被告人の供述のみならず押収の匕首によつて刄渡三十糎の事実を認定した

のであるから証拠なくして認定をしたのではない、そして押収物によつて右の様な

認定をするには必ずしも特に検証の手続によらなくても差支ないから原判決に所論

の様な違法はなく論旨は理由がない。

第三点について、

記録綴込の押収調書によれば所論匕首は司法警察官警部補Aにより伏見警察署に

おいて適法に押収されたことが明であり所論の様にB巡査が不当に押収したもので

ないことがわかる。所論の様な記載、文字訂正等があつてもそれにより右押収が不

適法のものであるとすることは出来ない、しかのみならず「たとえ押収手続に所論

の様な違法があつたとしても押収物件につき公判迄において適法の証拠論が為され

てある以上(此のことは記録によつて明である)これによつて事実の認定をした原審

の措置を違法とすることは出来ない、押収物は押収手続が違法であつても物其自体

の性質、形状に変異を来す筈がないから其形状等に関する証拠たる価値に変りはな

い、其故裁判所の自由心証によつて、これを罪証に供すると否とは其専権に属す

る」論旨では訊問調書作成手続が適法の場合は其調書の証拠能力なしとする理論を

援用して押収手続に違法ある場合の押収物件の証拠能力を否定しようとするけれど

も、それとこれとは事柄の性質が違う、訊問調書は供述を記載るのであり、供述は

訊問手続によつて導き出されるものであるから、訊問手続の違法は供述の内容に影

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響を及ばす虞があり、調書作成手続の如何により記載された内容の真偽(供述され

た通りに記載されたか否かについても)についての疑惑を生ずる虞がないでもな

い、しかし押収物の場合は押収手続に所論の様な違法があつたとしてもそれにより

物自体の形状性質等に何等影響を及ぼす虞はないからである、従つて論旨は採用し

難い。

よつて上告を理由なしとし旧刑事訴訟法第四四六条に従つて主文の如く判決す

る。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二四年一二月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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