大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2417 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人小室薫、同村沢義二郎の各上告趣意は、末尾に添えた別紙記載の通りであ

る。

(一) 小室弁護人の論旨中「原審裁判所に提出した弁論要旨に詳記した通り」

とあるが、右弁論要旨は原審の記録にとじこまれているのであつて、上告趣意書と

して当裁判所に提出されたものではなく、適法な上告趣意書の内容をなすものでは

ないが(昭和二三年(れ)第四〇〇号同年一二月一日最高裁判所大法廷判決)、右

弁論要旨を引用した部分を除外しても、論旨は明白である。すなわち「被告人が半

島出身ノ故ヲ以テ内地人ナリセバ科スルコトナカリシ重刑ヲ以テ臨ミタルハ憲法第

一四条第一項ノ趣旨ニ反スル」というのである。しかし記録をしらべて見ると、原

審の量刑がさような差別観に影響された形跡は全然認められないのであつて、所論

憲法違反の主張はその前提たる事実なく、論旨は単に量刑不当の主張に過ぎないこ

とになり、上告の適法な理由にならない、

(二) 村沢弁護人の論旨は、本件被告人の所為は刑法第二〇六条に触れる程度

を出ないものであるとし、原判決が刑法第二〇七条を適用したことを非難する。し

かしながら、刑法第二〇七条は、二人以上の者が共同行為に依らず各別に暴行を加

えて他人を傷害ししかも傷害の軽重または傷害を生ぜしめた者を知ることができな

い場合についての規定であつて、本件の事実は正にこれに当る。すなわち原判決摘

示の事実によれば、被告人と原審相被告人らは、被害者に対して各別に暴行を加え

て傷害をこおむらせた者であるが、その傷害が同被告人らのうちだれの行為によつ

て生じたものであるか判明しない、というのであるから、原判決が被告人らを刑法

第二〇七条で処断したのは相当であつて、論旨は理由がない。

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よつて、旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二五年二月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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