大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2454 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉野作馬の上告趣意第一点について。

罪を犯した者が自首したことは、旧刑訴第三六〇条第一項に規定する「罪ト為ル

ヘキ事実」ではないから、判決に示さなくても違法とはならない。また、同条第二

項に規定する刑の「減免ノ原由タル事実上ノ主張」というのは、裁判所が法律上当

然に刑を減軽しなければならない場合に当る事実上の主張を指し、自首減刑のよう

にを減軽するかどうかが裁判所の自由裁量に委ねられている場合に当るとの主張を

含まない。それゆえ、仮りに本件について被告人が自首した事実の主張があつたと

しても、原判決がこれに対する判断を示さなかつたからといつて違法ではない。さ

れば、原審には所論のような違法はなく論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決ならびに記録によつて訴訟手続につき事実を調べてみても原審が本件につ

き被告人に対して刑の執行を猶予しなかつたことを目して自由裁量の範囲を遺脱し

た違法があつたものと認めることはできない。されば、原判決には所論のような違

法はないから論旨は理由がない。

同第三点について。

原判決の挙げている証拠によれば、原判示の事実を認定し得られるのであるから、

原判決には所論のように採証上の違法はない。所論は原審が自由裁量の範囲内で採

用しなかつた証拠を論拠として原判決を非難するにすぎないのであつて、原審には

所論のような違法はなく論旨は理由がない。

よつて、旧刑訴第四四六条に従い、主文の通り判決する。

以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。

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検察官 長谷川瀏関与

昭和二四年一二月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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