大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2569 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人福田公威の上告趣意について。

原判決並にその挙示する証拠によれば、被告人は、乳母車の「全部の部分品を他

から買つて来て組み立て」たり、古い乳母車の「台は大部分修繕し籠は全部新しい

のに取替え」たり、その他「古い乳母車を解体してまだ使える部分はその儘使い、

駄目になつた部分は新品と取替えてやることを業」とし、かようにして出来上つた

乳母車を、新品の通常の価格に劣らない対価で、顧客に引渡したものであることが

わかる。原判決は、被告人のかような所為を、乳母車の製造及び移出販売と認め物

品税法のいわゆる「製造」及び「移出販売」に該当するものと判断したのである。

原判決は所論のように、本来修繕であるものを製造と認めたのでもなく、又価格を

著しく増大させたという理由だけで修繕が製造に転化したと判示しているのでもな

く、前記のような所為は端的に製造という概念にあたると判断したのである。この

ような認定及び判断はすべて証拠に基いてなされているのであつて、その間何等の

不当なかどもなく、経験則に反する点もない。従つて原判決には、所論のような、

判示事実と証拠との間の不一致という理由齟齬もなく虚無の証拠によつて事実を認

定したという違法もない。また「修繕行為を製造販売なりと判示したのは理由不備

か理由齟齬の違法」あるものであるとの主張の理由なきことも上述するところによ

つておのずから明らかであろう。すでに被告人の所為が「製造」であるからには、

原判決がこれに物品税法を適用したのは当然であつて、法令適用の誤りはない。論

旨は又、仮りに被告人の所為が製造であつたとしても、その場合には物品税法によ

つて委託者が製造者と看做されるべきであるに拘らず、受託者たる被告人を納税義

務者と認めた原判決には法令違反の違法があると主張しているけれども、物品税法

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にはそのような規定は存しない。以上述べたところによつて明らかなように論旨い

ずれの点も理由がないから、旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年二月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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