大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2846 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人坂本英雄の上告趣意第一点について。

然し乍ら原判決の確定した事実に依れば、被告人等は、Aに睡眠剤ジヤール、カ

ルモチン、ベロナール等の睡眠剤を飲ませて同人を昏酔させる等の方法により同人

所有の貴金属等を取ろうとして判示の所為に出でたけれども、その目的を遂げなか

つたが、同人が用便のため、その携帯品を置いて応接室を立ち去つたすきに乗じて、

同室内のテーブルの上に置いてあつた同人所有の判示各物品を窃取したというので

ある。してみれば、被告人等の判示昏酔強盗(未遂)においてAを昏酔せしめた所

為と判示の窃盗における領得行為の間に因果関係はなく、而も両者はその犯意の内

容並びにその手段を異にするものであるから、原判決が被告人等の判示所為を昏酔

強盗未遂と窃盗の連続犯として処断したことは相当であつて、論旨は理由がない。

のみならず論旨が被告人等の判示所為は昏酔強盗の既遂に該当するというのであれ

ば、所論は被告人に不利益な主張をするに帰着し、適法な上告理由とならない。

同第二点について。

昏酔強盗の手段としては相手方の反抗を抑圧する程度の昏酔手段を用いることが

必要なこと所論のとおりであるが、原判決の事実摘示に依れば、被告人は睡眠剤を

使つて他人を昏酔させその金品を盗み取ろうということを思いつき、睡眠剤ジヤー

ル、カルモチン、ベロナール等の睡眠剤を入手した上、原審相被告人Bと共謀して、

判示Aに右睡眠剤を飲ませて昏酔させる等の不正手段によりその貴金属等を取ろう

という計劃をたて、該計劃に基き判示の所為に出でたが、その強取の目的を遂げな

かつたというのであるから、被告人等が昏酔強盗の意思を以て判示犯行に着手した

こと判文自体によつて明らかである。それ故論旨は理由がない。

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よつて旧刑訴法第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二五年四月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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