大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2887 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人河知金作、豊川重助上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

第一点について。

原審公判調書を調べて見るに各診断書について証拠調をした旨の記載がある、そ

して各診断書というのは本件記録中のすべての診断書を含むと解すべきであるから

所論A、Bに対する診断書についても適法な証拠調をしたものといわなければなら

ない従つて論旨は理由がない。

第二点について。

諭旨は被告人と喧嘩相手であり、且つ被告人に傷害を与えた相手方を不問に附し、

被告人のみを処罰した原判決は憲法第一四条に違反すると主張する。しかし所論喧

嘩の相手方は起訴されていない者であるし、裁判所は起訴されない者を処罰する権

限を有しないから所論喧嘩の相手方を処罰しないからとて何等の法令にも違反する

ものではない。従つて原審において被告人の喧嘩の相手方を処罰しないからとて憲

法違反の問題のおきる余地はない。従つて論旨は理由がない。

第三点について。

決闘とは当事者の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行を以て争闘する

行為をいうのである。しかるに原判決の事実摘示及び証拠によるも、被告人と本件

被害者との間に争闘の合意があつたことは認められないから原判決が決闘罪に関す

る所論法律を適用しないことは当然であつて、何等違法はない。論旨は理由がない。

よつて旧刑訴第四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

- 1 -

昭和二五年五月一六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 穂 積 重 遠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!