大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)314 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大池竜夫の上告趣意について。

論旨は、被告人の盗んだ自転車が何人の所有であるかを、原判決に明示していな

いことを非難している。しかし刑法第二三五条の窃盗罪は、不法に他人の所持を侵

してその物を自己の所持に移すことによつて成立する。所持とは一定の人の物に対

する事実上の支配関係をいうのであるから、窃盗罪の目的物の判示としては、その

物が自己以外の者の事実上の支配下にあることを明かにすれば足り、その所有者が

何人であるかは必ずしも判示することを要しない。原判決のように「巡査A管理の

自転車」と判示してあればその自転車が被告人以外の者の事実上の支配下にあるこ

とは明かであるから、これを以て所論のように理由不備の違法あるものということ

はできない。論旨は理由がない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年七月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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