大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)3165 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人緒方鉄次の上告趣意一について。

しかし、控訴審としては、被告人が第一審公判期日において如何なる供述をした

かは、実験則に反しない限り公判調書の記載によつて自由に判断することを得るの

である。そして原審が、本件第一審第一回公判調書中の被告人等の供述が真実にな

されたものと認めたことは実験則に反するものとは認められないから、これを証拠

として判示事実を認定したことには何等の違法もなく、所論のように証拠力なき書

類を断罪の資料に供したものということはできない。論旨は理由がない。

同上二について。

しかし原判決挙示の証拠によれば、所論の金銭は選挙運動の報酬として授受され

たものであることが認め得られる。従つて原判決が、このような認定の下に、これ

を挙示の法条の罰則に該当するものとして処断したことには、何等の違法もない。

論旨は採用することができない。

なお論旨は、本件犯行は被告人等に於て自己の行為が「法上許されないことを認

識しない」でなされたものであると主張するけれども、法令の不知は犯罪の成立を

妨げるものではないから、この主張も亦理由がない。

同上三について。

本論旨についても前記同様である。所論のように、被告人が名刺の頒布は、「正

当に行ひ得る運動方法と信じて行つたもので」あるとしても、そのことは犯罪の成

立を妨げる理由とはならない。論旨は結局量刑不当の主張に帰するから、採用する

ことができない。

同上四について。

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論旨はすべて原判決の事実誤認を非難するものであつて、法令違背の主張ではな

いから、上告適法の理由とならない。

同上五について。

原判決の事実誤認又は量刑不当の主張はいずれも適法な上告理由となり得ないも

のである。

以上の理由により旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年四月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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