大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)962 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人三輪寿壮、豊田求の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

弁護人三輪寿壮同豊田求の上告趣意第一点について。

しかし原審公判調書を精査するに被告人Bの場合は其酩酊の程度並に記憶力の程

度についての供述等に鑑み刑の減免の原由たる事実上の主張をしたものと認め得る

が被告人Aの場合はただ記憶がないとか、私達は酔つていてはつきり解りませんが

そこえどやどやと警察の人が来て捕りましたとか述べているまでであつて、其供述

自体から所論刑の減免の原由たる事実上の主張をしたものとは認めがたいものであ

る。従つて原審において被告人Bに対しては旧刑事訴訟法第三六〇条第二項により

特に其判断を示したに拘わらず被告人Aに対しては其判断を示さなかつたとしても

所論の如き違法はなく、論旨は理由がない。

第二点について。

しかし論旨に摘録した各証人の証言等によつては犯行当時被告人Bは心神喪失又

は心神耗弱の状態であつたとは断定出来ない。原判決の証拠に挙示した司法警察官

の訊問調書及び検事聴取書によれば、犯行当時の模様を相当くわしく記憶している

ことがわかるし、第一審及び原審公判における被告人Bの供述によれば、裁判長の

訊問がたまたま犯行の要点にふれると記憶がないと述べているが、其外は大体犯行

当時の模様を記憶して供述しているのであつて、所論のようにひどく酩酊して前後

不覚の状態であつたとは到底認め難い、従つて原審において被告人Bは犯行当時心

神喪失又は心神耗弱状態でなかつたと認定したことは何等実験則に反するものでは

ない。論旨は理由がない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。

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以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 田中巳代治関与

昭和二四年一〇月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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