大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1004 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人木戸口久治の上告趣意(後記)第一点について。

本件第一審公判廷において、被告人が所論の各供述調書の記載と異る陳述をした

からといつて、その一事を以つて、これを証拠とすることに同意しなかつたものと

いうことはできないのみならず、被告人において右供述調書を証拠とすることに同

意したと認められる以上、該供述者に対する直接訊問権はこれを放棄したものと解

すべきであるし、被告人は原審において、單に本件犯行当時は酒に醉つて意識を失

つていたと主張したにすぎないのであつて、所論の各供述調書を証拠としたことの

適否については、何ら争うところはなかつたのであるから、原判決もこの点につい

て特に判断を明示しなかつた訳である。従つて、所論の違憲論はその前提を欠くも

のであり、その余の論旨も適法な上告理由とならない。

同第二点は憲法違反を主張するけれども、その実質は單なる法令違反の主張に帰

するから、適法な上告理由とならない。

被告人の上告趣意(後記)は刑訴四〇五条所定の上告理由にあたらないから採用

することはできない。

なお、記録を精査しても、本件について刑訴四一一条を適用すべき場合とは認め

られないから同四〇八条一八一条に従い、全裁判官一致の意見を以つて、主文のと

おり判決する。

昭和二六年七月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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