大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1124 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各弁護人の上告趣旨はいずれも末尾添附別紙記載の通りである。

被告人A弁護人豊島武夫の上告趣意第一点に対する判断。

物価統制令は所論の如く、「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件、

(昭和二〇年勅令五四二号)に基き発せられたものである。「ポツダム」宣言ノ受

諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ノ施行ニ関スル件(昭和二〇年勅令五四三号)は、

その第一項において、右勅令五四二号の命令とは「勅令、閣令又ハ省令トス」と規

定し、その第二項において「前項ノ閣令省令ニ規定スルコトヲ得ル罪」として「三

年以下ノ懲役又ハ禁錮、五千円以下ノ罰金云々」と規定しているのである。即ち、

右第二項は「閣令及省令」に規定することのできる罰の種類と限度とを規定してい

るだけで、「勅令」に規定することのできる罰については、何等規定していないの

である。従つて所論は右勅令五四三号の規定を誤解していること明らかである。物

価統制令は右勅令五四三号に違反していないこと明らかであるから、所論憲法違反

の主張はその立論の前提を欠き、理由がない。

同第二点は量刑不当の主張で、上告適法の理由にならない。

被告人B弁護人小室薫の上告趣意に対する判断。

第一審判決は被告人を物価統制令違反の正犯として処断しているのであるが、原

審弁護人小室薫は、原審において、被告人の所為は正犯に非ずして従犯(幇助犯)

であると主張し、当審においても、同様の主張をなし、右主張を立論の前提として

更に憲法違反の主張をしているのである。

しかし、被告人の所為が、第一審判決認定の如く物価統制令違反の正犯たること、

その挙示する証拠から認定できるのであつて、まきに原判決の説示しているとおり

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である。従つて所論従犯だという主張は肯認できないのであるから、所論憲法違反

の主張はその前提を欠き、理由がないといわなければならない。

よつて刑訴法第四〇八条に従い裁判官全員一致の意見を以つて主文のとおり判決

する。

昭和二六年八月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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