大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1193 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岡本駒之助の上告趣意書第一について。

論旨は、原判決が憲法二五条の規定の精神に違反するものであると主張するけれ

ども、そのような趣旨は原審において控訴趣意として主張されておらず、従つて原

審もこの点について何等の判断をも示していないのである。のみならず論旨が憲法

違反の理由として主張しているところの、被告人が自己の疾患を治癒するために麻

薬を買入れ、その残りを同病相憐れむ真情から他人に分譲したものであるという事

実は、原判決の認定していないところであるから、そのような事実を前提とする所

論は採用することができない。

同第二について、

本件犯行当時適用のあつた麻薬取締法五七条は同法三条違反の罰則を規定してい

る。そうして本件犯示事実が同法三条の規定に該当するものであることは明らかで

あるから、原判決が同法五七条を適用したのは正当であつて所論のような違法はな

い。所論憲法違反の主張は、誤つた前提の下に立つ主張であるから採用することが

できない。

同第三について。

論旨は量刑不当の主張であるから、適法な上告理由とならない。なお記録を精査

しても刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い、裁判官全員の意見を以て主文のとおり判

決する。

昭和二六年七月一七日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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