大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)12 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A、B及びCの弁護人中沢信雄ならびに被告人Dの弁護人岡崎基の各上告

趣意は、末尾に添えた別紙記載のとおりである。

(一)、弁護人中沢信雄の論旨は被告人等の本件強盗は未だ予備の段階を出でず、

実行の着手に至らなかつたものであるとの前提の下に、原判決が被告人等の本件犯

行について強盗傷人罪の成立を是認したことは大審院の判例と相反する判断をした

ことになるというにある。しかし、大審院の判例と相反する判断をしたという主張

は、最高裁判所の判例がない場合に初めて上告理由とすることができるのであり(

刑訴四〇五条三号)、判例違反を上告理由とする場合には刑訴規則二五三条により

当該判例を具体的に示すことが要求されているのである。そして、論旨援用の大審

院判例と同趣旨の判例は最高裁判所にも数多く存するのであるから、ことさらに大

審院判例を掲げてこれが違反を主張する論旨は適法な上告理由とならないばかりで

なく、原判決は第一審判決の認定した事実により被告人等は「強盗を為す者であり」

且「強盗を為すの機会において」人を傷害したものであるとして事を論じているの

であるから、前記判例と相反する判断をしたものというは当らない。即ち論旨は刑

法二四〇条前段の解釈適用を誤つたと非難するに帰し、この点からも適法な上告理

由とならない。

(二)、被告人Dのための岡崎弁護人の論旨は刑訴四〇五条の定めた事由にあた

らないから、適法な上告理由にならない。

(三)、なお、本件については、刑訴四一一条にあたる事情も認められない。

よつて、刑訴四〇八条に則り、全裁判官一致の意見を以つて主文の如く判決する。

昭和二六年七月二四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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