大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1288 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人江島孝の上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。第一点につい

て。

所論判例(昭和二三年(れ)第一八三一号、同二四年五月二六日第一小法廷判決)

は「同令に所謂所持とは、かかる物件に対しこれが保管につき支配関係を開始しこ

れを持続する所為をいうのである。従つてそれの物件の所有者がその保管を他人に

託したとしても、その受託者を通じて間接にその物の保存につき支配関係を持続す

る限り、なお該物件を所持するものといわざるを得ないのである。」と説示してい

るのであるが、原判決は所論のように、所持の継続中進行性麻痺等のため意識を失

つた場合には、所持の継続がなくなるかどうかという点については、何等の判断も

示していないこと明らかであるから、原判決は右判例に違反しているということは

できない。むしろ、原判決は当裁判所の「一旦成立した所持が爾後存続するために

は、その所持人が常にその物を所持することを意識している必要はない」と判示し

た判例(昭和二五年(れ)第一一一八号、同年一〇月二六日第一小法廷判決、判例

集四巻一〇号二一九四頁参照)の趣旨に合致するから何等違法はなく論旨は理由が

ない。

同第二点について。

所論は量刑不当の主張であつて、上告適法の理由にならない。

よつて、刑訴四〇八条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年七月二四日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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