大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1345 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人馬淵健三の上告趣意第一点について。

所論は、原審において控訴趣意として主張されず、原審も何等の判断を示してい

ないことに関する主張であるから適法な上告理由とならない。のみならず第一審判

決摘示第一の事実中、被告人が判示資材を統制に違反してAから買受けたという事

実は、Aの売買供述書に詳細に記載されている。本件記録中には同人の供述書はこ

の「売買供述書」一通の外にはないから、第一審判決が証拠として挙示しているA

の「買受供述書」というのは右の「売買供述書」を指すものであつて誤記であるこ

とが明らかである。そうだとすれば第一審判決は被告人の自白を唯一の証拠として

犯罪事実を認定したものではないから、所論憲法違反の主張はその前提を欠くこと

ゝなり、採用できない。

同第二点及び第三点について。

所論いずれの点も刑訴四〇五条に定めた上告理由にあたらない。(ただ第一審判

決が判示第二の事実に対して昭和二三年一一月四日物価庁告示第一一一八号を適用

したのは所論のとおり誤りであつて、その以前の告示を適用すべきであつた。しか

しそうすると統制額は右の告示指定の額よりも低くなるので、超過金額は判示の額

より一層多くなり、被告人にとつて不利益な結果となる。)

なお記録を精査しても本件に刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二六年七月一七日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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