大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1356 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一五〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

論旨は原判決の事実誤認を主張し寛大な判決を願うというだけであるから、明ら

かに刑訴四〇五条に定める事由に該当しない。

弁護人野口恵三の上告趣意第一点について。

原判決は、挙示の証拠によつて被告人に欺罔の意思があることを認定した上で、

被告人の所為を詐欺罪にあたるものとしたのであるから、論旨に援用する判例に反

するところはない。論旨は被告人に欺罔の意思が無かつたということを主張し、(

このような主張は事実誤認の主張であるから適法な上告理由とならない)そのこと

を前提として判例違反を主張するものであるから、採用することができない。

同第二点について。

憲法三六条にいわゆる「残虐の刑罰」とは、刑罰そのものが人道上残酷と認めら

れるものを意味し、法定の刑の種類の選択又は範囲内での量定の不当を指すもので

はないから、偶々被告人の側から見て苛酷と思われるものであつても、それだけの

理由を以て憲法にいわゆる残虐な刑にあたるとは云い得ないこと、当裁判所の判例

(昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月三〇日大法廷判決)に示されていると

おりである。論旨を検討してみても今なお右の判例を変更すべき理由は見出されな

いから、論旨は採用することがでない。

以上の次第で刑訴四〇五条に定める上告の理由がないこと明らかであるし、また

記録を精査してみても同四一一条を適用すべきものとも認められないから、刑訴四

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〇八条、刑法二一条、刑訴一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二六年五月一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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