大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1394 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人野中幸栄の上告趣意第一点について。

当裁判所の判例に従えば、憲法三八条三項は、或る犯罪につき被告人を有罪とす

るには自白のほかに他の証拠を必要とする趣旨を明らかにしたものであり(昭和二

三年(れ)第一四二六号同二四年一〇月五日大法廷判決)、また被告人の前科は罪

となるべき事実ではないから必ずしも証拠によりこれを認めた理由を示す必要はな

いのである(昭和二三年(れ)第七七号同二四年五月一八日大法廷判決)。これ等

の判例を考え合わせてみれば、原判決が被告人の前科を本人の自白のみによつて認

定したからとて、所論のように憲法三八条三項(上告趣意書に「二項」とあるのは

「三項」の誤記と認める)に違背するものでないことは明らかである。なお原判決

が刑訴三一九条二項に違反するという主張は、適法な上告理由とならない。(昭和

二五年(あ)第三六一号同年一〇月一〇日当裁判所第三小法廷判決参照)。それ故

論旨いずれの点も採用することができない。

同第二点及び第三点について。

論旨はいずれも刑訴四〇五条に定めた上告理由にあたらない。なお記録を精査し

ても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い裁判官全員一致の意見を以て主文のとおり

判決する。

昭和二六年七月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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