大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1792 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中九〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人A及び弁護人平林庄太郎の上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

被告人Aの上告趣意について、

論旨は結局原審の事実誤認を主張するものであつて上告適法の理由とならない。

弁護人平林庄太郎の上告趣意について、

記録に徴するに、第一審第一回公判において被告人及び弁護人は検察官の提出し

た所論診断書を証拠とすることに同意し、証拠調に異議なき旨を述べているのみな

らず、第四回公判期日において手続更新に際しても異議を述べていないことは明ら

かである。従つて右診断書は刑訴三二六条により証拠能力がないとはいい得ないか

ら、右診断書の証拠調が為された後に右診断書の作成者たる医師の証人尋問がなさ

れた場合において、右医師の証言を採用すべきか或は診断書を採用すべきかという

証拠取捨の問題はあるとしても、右医師の証言のみが証拠能力があつて右診断書は

証拠能力がないとはいい得ない、従つて右診断書を証拠とした原判決は何等違法は

ないばかりでなく、論旨は刑訴四〇五条にも該当しないものである。次に論旨は原

判決は判例違反の違法があると主張する、しかし所論は右診断書は証拠能力がない

ことを前提とするものであるが前叙の通り右診断書は証拠能力がないとはいい得な

いから、論旨はその前提を欠き採用するを得ない。なお論旨はその末尾において刑

訴四一一条の事由は上告理由として認められたものであると主張するが、然らざる

ことは当裁判所数次の判例の示すところであるから理由がない。よつて刑訴四〇八

条同一八一条刑法二一条により主文の通り判決する。

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以上は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年二月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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