大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2975 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人を懲役六月に処する。

但し三年間右刑の執行を猶予する。

本件公訴事実中臨時物資需給調整法違反の点につき被告人を免訴する。

理 由

弁護人加藤勝之助の上告趣意は末尾添付の別紙書面記載のとおりである。

論旨第二点について。

所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条に当らない。しかし、職権で調

査すると、本件公訴事実中肥料硫酸アンモニヤに関する臨時物資需給調整法違反の

事実については、昭和二七年政令第一一七号大赦令により大赦があつたので、論旨

第一点に対する判断はこれを省略し、刑訴四一一条五号四一三条但書により原判決

及び第一審判決を破棄した上、当裁判所において更に自ら判決することとし、右事

実については同三三七条三号により被告人に対し免訴の言渡をする。

なお、被告人は肩書自宅で農業を営んでいる者であるが、法定の除外事由がない

のに、昭和二三年一〇月下旬右自宅でA青年会B支部長Cを介し同D支部会員約三

〇名より同人等の生産に係る同年度産未検査水粳玄米四俵を代金二四〇〇〇円で買

受けたものである。

右の事実は検察官に対する被告人の供述調書及びC外二名連署の始末書中の各記

載によつてこれを認めることができる。

法律によると、被告人の判示所為は食糧管理法九条三一条(但し、刑法六条一〇

条により罰金等臨時措置法二条は適用しない)食糧管理法施行令六条に該当するの

で、所定刑中懲役刑を選択し、その刑期範囲内で被告人を懲役六月に処し、被告人

に対しては情状その刑の執行を猶予するのが相当と認められるので、刑法二五条に

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よりこの裁判確定の日より三年間右刑の執行を猶予することにする。尤も、本件公

訴事実中物価統制令違反の点については、犯罪の証明が十分でないが、右は判示食

糧管理法違反の事実と一所為数法の関係にあるものとして起訴されたものと認める

ので、特にこの点については主文で無罪の言渡はしない。

よつて、主文のように判決する。

右は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官大津民蔵出席

昭和二七年一〇月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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