大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)384 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人及弁護人池田浩一の各上告趣旨はいずれも末尾添附別紙記載の通りで

ある。

弁護人池田浩一の上告趣旨について。

原審に対して弁護人の控訴趣意書の外に被告人本人の控訴趣意書が提出されたこ

と及原判決に被告人本人の控訴趣意を記載した書面の添附なく、其他右控訴趣意に

対して特に判断した趣旨の記載のないことは所論の通りである。しかして原審公判

調書によると被告人本人の控訴趣意書については陳述されて居ないことがわかるの

で、原審がこれについて特に判断を記さなかつたのはその為めであるかも知れない、

しかし控訴趣意書が提出されてある以上、その陳述があると否とに拘わらずこれに

対する判断をしなければならないこと勿論であるから原審の右措置は形式上一つの

欠陥たるを免れない、しかし右被告人本人の控訴趣意書を読んで見るとその趣旨は

弁護人の被控訴趣意書と同じく量刑不当の主張に過ぎないもので、内容も殆ど同様

であり、原判決に書いてある様に「弁護人の所論に鑑み諸般の情状を考察」して判

断すればおのずから被告人の控訴趣旨についても判断されたことになるのである、

従つて実質的には被告人本人の控訴趣旨についても判断があつたことになり欠陥は

なかつたものともいえる。それ故前記形式的欠陥の為め原判決を破棄しなければ著

しく正義に反するものとすることは出来ない、以上の如く実質上判断があつたもの

と見ることが出来る以上論旨の違憲論は前提を欠くもので憲法の問題ではない。

被告人本人の上告趣旨は刑訴四〇五条所定の理由に該当しない。

その他刑訴四一一条を適用すべき事由も見当らない。

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よつて刑訴四一四条、三九六条、一八一条に従つて主文の如く判決する。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二五年一〇月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官穂積重遠は差支えのため署名押印することができない。

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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