大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)557 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人成田篤郎の上告趣意について。

上告の申立は、刑訴四〇五条に定めてある事由があることを理由とするときに限

りなすことができるものである。同四一一条は、上告申立の理由を定めたものでは

なく、同四〇五条各号に規定する事由がない場合であつても、上告裁判所が原判決

を破棄しなければ著しく正義に反すると認めた場合に職権をもつて原判決を破棄し

得る事由を定めたものである。

しかるに論旨第一点は原判決の量刑不当を主張するに過ぎないから明らかに刑訴

四〇五条に定める事由に該当しない。

論旨第二点には原判決の憲法違反を主張しているが、しかし所論憲法三七条の「

公平な裁判所の裁判」というのは、構成その他において偏頗の惧れなき裁判所の裁

判という意味であること、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年

五月五日大法廷判決)の示すとおりであるから、仮りに言い渡された刑が重かつた

としても(昭和二三年(れ)第一〇五三号同年一〇月一九日最高裁判所第三小法廷

判決参照)、または他の同種事件に比べて比較的に重かつたとしても(昭和二三年

(れ)第八四一号同年一二月四日最高裁判所第二小法廷判決参照)、これを以て右

の憲法の規定に違反するものということはできない。よつて論旨は理由がない。

右の次第で論旨いずれの点も刑訴四〇五条所定の上告の理由なきこと明らかであ

るのみならず、本件には同四一一条を適用すべき事由も認められないから、同四〇

八条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一二月一九日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 積 穗 重 遠

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