大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)710 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人樋渡直人の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりであつてこれに対する

当裁判所の判断は次のとおりである。

然し、事実審裁判所が被告人に対し実刑を科しその刑の執行猶予の言渡をしなか

つたとしてもそれは法律の認めた自由裁量の範囲に属するところであつて憲法一三

条により保障せられている個人の尊厳を侵すものということはできないこと当裁判

所大法廷判例の示すところである。(昭和二二年(れ)二〇一号同二三年三月二四

日大法廷判決)次に、被告人が仮に生活苦のため罪を犯したとしてもこれに対し実

刑を科することが憲法二五条に違反しないことも亦当裁判所の判例とするところで

ある。(昭和二二年(れ)二〇五号同二三年九月二九日大法廷、昭和二四年(れ)

一三三九号同年一〇月二五日第三小法廷各判決)然らば本件について原判決が被告

人に対し刑の執行独予の言渡をしなかつた第一審判決の科刑を相当として維持した

ことが右憲法の各条規に違反しないこと明らかである。その余の論旨は結局量刑不

当の主張であつて適法な上告理由とならない。又記録を精査しても刑訴法四一一条

にあたる事由は認められない。

よつて同四〇八条一八一条に従い全裁判官一致の意見により主文のとおり判決す

る。

昭和二六年四月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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