大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1181 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人長瀬秀吉同位田亮次の上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

第一点について。

原判決が証拠として挙示した被告人の原審公判における供述によれば、被告人は

第一審判決書事実摘示と同一事実を告げられたのに対し、その通り相違ない旨を答

えている。そして第一審判決書には、被告人は本件被害者等をして、被告人が真実

に判示物件を運搬してくれるものと誤信せしめた旨を記載しているのであるから、

原判決は所論のように証拠に基かないで事実を認定したものではなく、論旨は理由

がない。

第二点について。

原判決は他人所有の物件を受け取つてこれを騙取したことを認定しているのであ

り、其認定について法則に反するところは認められない、然るに論旨は、判示物件

の占有は被告人に移転しないと前提し、それに基いて原判決は擬律に錯誤があると

主張するのであつて、結局原審の事実誤認を主張することに帰するから、上告適法

の理由とならない。

第三点について。

原判決は、被告人と被害者との関係を雇傭契約であるとか、或は請負契約である

ことを確定したものではなく、被告人は始めより被害者の意思に従つて運搬する意

思がないに拘わらず、あたかも被害者の意思に従つて運搬するものの如く詐つて本

件物件を騙取したことを認定したものであり、其認定には何等法則に反するところ

はない。従つて被告人を詐欺罪として処罰したことについて所論の如き違法はない。

論旨は原審と異る見解を立て、原審の理由齟齬を主張するものであるから理由がな

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い。

よつて旧刑訴四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 橋本乾三関与

昭和二五年一二月一九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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