大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1258 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人豊田求同石井成一の上告趣意第一、二点について。

原判決は、所論のように被告人の行為が刑法三六条に定めているいわゆる正当防

衛又は過剰防衛なり或は誤想防衛(論旨にいう錯覚防衛)なりの要件を充たした事

実を認定したものではなく、身体を傷害して人を死に致した事実を認定してこれに

刑法二〇五条一項を適用したものであるから、所論のように法の適用を誤つた違法

があるものではない。論旨は、帰するところ原審の事実誤認を主張するに外ならな

いので採用することができない。

同第三点について。

原判決の認定した事実に「頭部を数回殴打し」とあるからとて、頭部を殴打した

客観的事実を認め得る証拠があれば足りるのであつて、頭部を目がけて殴打した証

拠を必要とするものではなく、また二、三回殴打したことの証拠があれば数回殴打

したと判示したとしても違法であるとは言えない。それゆえ、論旨は採用に値しな

い。

よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判

決する。

以上は、裁判官全員の一致した意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年一二月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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