大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1712 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中尾武雄の上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

所論のように、A紡績株式会社B工場が多数の工員を擁して食糧に窮迫してい

たという事実があり、そのため被告人が同工場責任者と話合のうえで、本件の玄麦

の買受をするようになつたのであるとしても、それだけで直ちに、憲法二五条一項

の規定を理由として、被告人の右買受行為の違法性が阻却せられ、あるいは特に実

刑が必然となるものと解することができないことは、当裁判所大法廷の判例(昭和

二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷判決、判例集二巻一〇号一二三五頁)

の趣旨に徴して明らかである。それゆえ原判決に所論のような違法はなく、論旨は

採用し難い。

よつて旧刑訴四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 福島幸夫関与

昭和二六年四月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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