大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1756 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人箭柏卯行の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりであつて、これに対す

る当裁判所の判断は次のとおりである。

原判決の確定した事実は被告人は他三名と共謀の上A染料B工場内製品倉庫の番

人を日本刀で脅して縛り上げ同倉庫内からズルチン原料フエネトールを強収しよう

と共謀し同会社夜番室に侵入し判示の方法により夜警番人を脅迫したが、その時既

に番人が非常ベルを鳴らした後被告人に抵抗してきたので被告人等は逃走し右強奪

の目的を遂げなかつたというのであるから被告人等の判示所為がいわゆる障礙未遂

であつて中止未遂でないこと当然である。弁護人は被告人が本件犯行の目的を遂げ

なかつたのは同人が悔悟して自発的に犯行を中止したによるものであるというが右

の事実は原判決の認定しなかつたところである。従つてこの事実を前提として被告

人の所為が中止未遂にあたるとの主張は理由がない。

よつて旧刑訴四四六条を適用し全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。

検察官 十藏寺宗雄関与

昭和二六年三月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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