大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1815 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岸達也の上告趣意について。

原審公判調書を調べてみると、検事は第一審判決摘示事実中第一事実と同旨の被

告事件を陳述し、裁判長は右検事陳述の公訴事実を解示した上、此の事実につき何

か弁解することはないかと問い、且つ公訴事実の細目に亘つて逐一訊問したもので

あることがわかる。原判決は右の訊問に対して被告人が逐次なした供述を証拠とし

て採用したのである。かような場合に第一審判決書を被告人に読聞けなければ原審

公判廷における供述を証拠に採ることができないという所論のような法理は存しな

い。又論旨援用の判例の趣旨は所論とは全く異なり本件にはあてはまらない。それ

故に原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 福島幸夫関与

昭和二六年四月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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