大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)32 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

(一) 論旨第一点は、被告人は本件取引の売主ではなく他人間の売買を仲介斡

旋したにすぎない、というのであつて、単なる事実誤認の主張であるから、上告適

法の理由にならない。

(二) 論旨第二点は、木炭の統制法規は既に廃止されたから旧刑訴法三六三条

(上告趣意書に刑事訴訟法第三三七条とあるのは旧刑事訴訟法三六三条の誤記と認

ある)により原判決を破毀して免訴の言渡をなすべきである、とする。なるほど、

木炭の販売価格の統制額は昭和二五年三月一五日物価庁告示二〇七号によつて廃止

されているが、犯罪後に物価統制令に基づく価格等の統制額が廃止されても旧刑訴

法三六三条二号に該当せず、行為時法によつて処罰ぜられるものであることは、当

裁判所の判例(昭和二三年(れ)第八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決)と

するところであるから、論旨は理由がない。

よつて、旧刑訴法四四六条に従い、主文の通り判決する。

以上は統制額指定の告示の廃止の効果に関する裁判官井上登の反対意見(前記大

法廷判決記載の通り)を除くの外、裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二六年一月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

- 1 -

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!