大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)726 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池田吾十同増岡正三郎同柳沼作巳の各上告趣意は末尾に添附した別紙記載

の通りである。

弁護人池田吾十同増岡正三郎柳沼作巳の上告趣意各第一点について。

論旨は被告人の判示行為は犯行当時においては物価統制令違反行為として処罰せ

らるべきものであつたとしても、犯行後である昭和二五年一月一〇日物価庁告示第

七四号を以て藺草及び藺製品の統制価格が廢止された為め処罰規定は其効力を失つ

たから今これを処罰することはできないと主張する。しかし物価統制令違反行為に

対しては犯行後において所謂価格の統制が廢止された場合でも行為時法によつて処

罰すべきものであることは当裁判所の判例とするところである従つて被告人の本件

犯行後所論物価庁告示第七四号により藺草並にその製品の価格統制が廢止されたと

しても本件犯行当時において物価統制令違反行為として有罪であつた被告人の行為

に対し行為時の同令を適用して有罪を言渡した原判決は正当であつて所論の如き違

法はなく、論旨は採用しがたい。(昭和二三年(れ)第八〇〇号同二五年一〇月一

一日大法廷判決参照)

弁護人池田吾十上告趣意第二点について。

論旨は結局原審の量刑不当を主張することに帰するから採用できない。

よつて旧刑訴四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官井上登の少数意見を除き裁判官全員一致の意見である。

裁判官井上登の意見は昭和二三年(れ)第八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷

判決記載の通りである。

検察官堀忠嗣関与

- 1 -

昭和二五年一一月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河村又介は差支えのため署名押印する事

ができない。

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!