大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)173 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨第一点に対する判断。

原審は本件当事者等の居住する地方においては子弟分家の際には家屋等の分与を

するのが通例であるが上告人は分家当時素行が修まらなかつた為め分与を受けるこ

とが出来なかつた旨特別事情を判示して居るのであつて、少しも理由に齟齬はない。

上告人が分家を強いられたという事実については直接の証拠は見当らないけれども、

分家当時上告人が素行修まらなかつた事実及びその為め財産の分与なしに分家した

事実は原審挙示の証拠によつて認められないものではない。しかる以上分家が強制

によつたか否かの如きは判決主文に影響なき間接の事情であるから、その点につい

て直接証拠が無くても判決破棄の理由とならない。

同第二点に対する判断。

所論の事実については判文上明な様に原審は判文前段認定の事案から「推断」し

たのであつて、その推断は実験則に反するものではなく、又論旨(ロ)主張の様に

考えなければならないものでもない。原判決に所論の様な違法ありとすることは出

来ない。

同第三点に対する判断。

乙第五号証の一、二によるも原審と反対の認定をしなければならないものではな

い。その他所論は原審の適法な証拠の取捨判断事実の認定を攻撃するもので上告適

法の理由とならない。

同第四点に対する判断。

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原審は所論各証拠中「上告人が本件家屋保存登記の日に本件家屋の贈与を受けて

所有権を取得した」との点に関する部分を信ぜず、その他の部分を信じたものであ

ること判文上明白である。かかる措置が違法でないこという迄もなく論旨は理由が

ない。

同第五点に対する判断。

原審は所論の点については上告人提出援用の証拠によつては認むるに足りないと

判示したのみならず、証拠により上告人は訴外Dより同人留守番として本件家屋に

居住を許されて居たものである事実(即権限の性質上所有の意思なきものとする場

合)を認定しなお「D存命中同人に対して上告人が所有の意思あることを表示し、

又は新権原によつて更に所有の意思を以て占有を始めた事実を認めるに足りる証拠

はない」と判示し民法第一八五条の場合と認めたのであるから原判決には何等所論

の様な違法はない。

論旨第六点所論の事実は判決主文に影響なき間接の事情であるから、此点につき

判決に判断を示す必要はないものである。原判決には所論の様な違法はない。

よつて上告を理由なしとし民事訴訟法第四〇一条、第九五条、第八九条に従い裁

判官全員の一致で主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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