大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)73 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人長谷川寧同長谷川熙の上告理由は、末尾に添えた別紙記載の通りであ

る。

(一)論旨第一点は、行政事件訴訟特例法施行以前においても農地買収計画に対

しては異議と訴願とを経た後に出訴すべきであるのに、原判決が本件において訴願

のあつたことにつき何等の考慮を払うことなくして出訴期間を判定したのは違法で

ある、というのである。しかしながら、行政事件訴訟特例法第二条のいわゆる「訴

願前置主義」の範囲については問題があり、また同法施行前にも所論のごとくその

主義が採られたかどうか疑問であるが、本件の訴願は期間経過後のものであるから

訴願なかりしにひとしく、原審が出訴期間の判定につきそれを勘定に入れなかつた

としても、達法とは言えない。のみならず、本件は昭和二二年法律第二四一号自作

農創設特別措置法改正法律施行前の処分にかかるものであるから、本件の訴は同法

附則第七条第一項により同法施行の日なる昭和二二年一二月二六日から一箇月以内

に提起されなければならなかつたものであり、従つて原判決は、本件の訴がその期

限後に提起された不適法なものである旨を判示したのであつて、本件の異議または

訴願の提起またはその採決の時期を出訴期間の起算点としたものではなく、結局論

旨は理由がない。

(二)論旨第二点は、本件訴願期間経過については、訴願法第八条第三項にいわ

ゆる「宥恕スベキ事由」があるにかゝわらず、原審はこの点について審理を尽して

いない、と非難する。元来右の事由の有無の判断は行政庁の自由裁量に属するもの

か、裁判所が審理判断し得るものか、については議論があり得るのであつて、本件

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第一審は前見解、原審は後見解を採るのであるが、原審は後見解を前提として宥恕

の事由のないことにつき相当な説明を加えており、その見解は相当であつて審理不

尽とは言い難く、いずれにしても論旨は上告の理由にならない。よつて、民事訴訟

法第四〇一条第九五条第八九条に従い、主文の通り判決する。以上は当小法廷裁判

官全員一致の意見である。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官穂積重遠は差支えにつき署名押印することができない。

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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